この記事では、未経験からITエンジニアへの転職を目指している人向けに、データベースエンジニアの仕事内容・必要スキルを詳しく解説します。
近年、企業が扱うデータ量は急激に増加しており、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの活用、クラウドサービスの普及により、データを安全かつ効率的に管理・活用できる人材の需要は高まり続けています。
その中でも、データの根幹を支える存在がデータベースエンジニアで、この記事を参考に、基本的な理解を深めてください。
データベースエンジニアとは?
データベースエンジニアは、データベースの設計・構築・運用・保守を専門に行うエンジニアです。企業が持つ顧客情報や売上データ、在庫管理データなどを、効率的かつ安全に扱えるようにします。
他職種との違い
- インフラエンジニア
サーバやネットワーク全体の設計・構築を担当 - アプリケーションエンジニア
システムやアプリの機能開発を担当 - データベースエンジニア
データを保存・取得・管理する仕組みを専門に扱う
データの正確性や高速なアクセスを実現するため、ビジネスの土台を支える重要な役割を担います。
データベースエンジニアの主な仕事内容
データベースエンジニアの業務は多岐にわたりますが、大きく分けると以下のような項目があります。
1. 設計(論理設計・物理設計)
- どのようなデータを、どの形式で保存するかを決める
- テーブル構造やキーの設定、正規化の検討
2. 開発・構築
- SQLを使ったデータベース作成
- Oracle、MySQL、PostgreSQLなどのDBMS(データベース管理システム)の導入
3. 運用・保守
- データのバックアップやリストア
- 性能チューニング(クエリの高速化、インデックスの最適化)
- 障害対応やログ監視
4. セキュリティ対策
- アクセス権限の設定
- データの暗号化や不正アクセス防止策
5. クラウドデータベースの活用
- AWS RDS、Azure SQL Database、Google Cloud Spannerなどのクラウドサービス活用
未経験からデータベースエンジニアを目指すために必要なスキル
未経験からでも目指せますが、以下のスキル習得が近道です。
- データベース基礎知識(リレーショナルデータベースの構造、ER図の読み書き)
- SQL(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETEなど基本文法)
- OSの基礎(特にLinuxコマンド)
- ネットワークの基礎(TCP/IPやポートの仕組み)
- セキュリティ知識(アクセス制御、暗号化の基本)
- 論理的思考力と問題解決能力
学習方法とおすすめの資格
学習方法
- 書籍やオンライン教材でSQLを学習
- 無料のDB環境(MySQL、PostgreSQL)で実践
- クラウドの無料枠(AWS Free Tierなど)を利用して構築練習
おすすめ資格
- Oracle Master Bronze / Silver(Oracleデータベースの基礎〜応用)
- MySQL認定資格(MySQLの設計・運用スキルを証明)
- データベーススペシャリスト試験(DB)(高度情報処理技術者試験の一つ)
資格は必須ではありませんが、学習の目標設定や転職時のアピールに有効です。
データベースエンジニアの年収・キャリアパス
- 初級:350〜450万円
- 中級:500〜650万円
- 上級(DBAやデータアーキテクト):700万円以上
- フリーランスや外資系企業では年収1,000万円以上も可能
キャリアパス例
- データベースエンジニア → DBA(データベース管理者)
- データアーキテクト → データサイエンティスト
- インフラ領域やクラウド領域への転身
未経験者が注意すべきポイント
- 求人選び:研修制度やOJTの有無を確認
- 夜勤・シフト勤務の可能性:運用・保守担当は24時間体制の場合も
- ポートフォリオ作成:学習内容や構築事例をまとめておくと転職に有利
まとめ
データベースエンジニアは、企業の基幹システムを支える重要な職種です。未経験からでも基礎知識とSQLを身につければ、十分挑戦可能です。資格や実務経験を積み、クラウドやセキュリティの知識も取り入れることで、将来性のあるキャリアを築けます。