この記事では、未経験からITエンジニアへの転職を目指す人向けに、サーバー系のIT資格の1つ、LPICの難易度を詳しく解説します。
- LPIC:Linux Professional Institute Certification
LPICは、Linuxの操作やサーバー管理スキルを証明できる国際資格であり、インフラエンジニアやサーバーエンジニアを目指す人にとって重要なステップとなります。レベルごとに出題範囲や求められる知識が異なるため、自分の経験やキャリアプランに合わせた学習が必要です。
IT資格には、CCNAや基本情報技術者試験、AWS認定資格など数多くありますが、その中でもLPICはLinuxスキルに特化している点が特徴です。LPICの難易度をレベル別に整理するとともに、他IT資格との比較や学習のポイントを解説します。
LPICの概要
LPICは、カナダに本部を置くLPI、日本ではLPI日本支部が提供している、Linux技術者の国際認定資格です。
- LPI:Linux Professional Institute
レベルは大きく3段階あり、LPIC-1(Linuxの基本操作やシステム管理の入門レベル)、LPIC-2(ネットワーク・セキュリティなど中級技術)、LPIC-3(高度なLinuxシステムの設計・セキュリティ・クラウド対応)となっています。
出題範囲はLinuxに特化しており、実務でそのまま役立つ知識が問われます。
LPICのレベル別の難易度
LPIC-1(入門~基礎)
対象者 | Linux初心者、IT基礎知識がある人 |
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出題範囲 | 基本コマンド、ユーザー管理、ファイルシステム、ネットワーク基礎 |
難易度 | ★★☆☆☆(やや易しい) |
勉強時間目安 | 100〜150時間 |
特徴 | 未経験でも取り組みやすく、最初のステップに最適 |
LPIC-2(中級~実務者向け)
対象者 | LPIC-1取得者、Linux運用経験がある人 |
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出題範囲 | シェルスクリプト、ネットワーク設定、セキュリティ、メールサーバー構築 |
難易度 | ★★★☆☆(中級者向け) |
勉強時間目安 | 150〜250時間 |
特徴 | 未現場で求められる力に近く、即戦力を示せる |
LPIC-3(上級~専門家向け)
対象者 | Linuxの高度な実務経験者 |
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出題範囲 | セキュリティ設計、仮想化・クラウド、LDAP、可用性構成 |
難易度 | ★★★★☆〜★★★★★(かなり難しい) |
勉強時間目安 | 300時間以上 |
特徴 | 専門性が非常に高く、取得者は少数派だが価値は高い |
他IT資格との難易度の比較
LPICはLinuxに特化しているため、他の資格と比較すると違いが明確です。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)
- ネットワーク系の代表資格
- 難易度はLPIC-1と同等〜やや上
基本情報技術者試験
- 出題範囲は広いがLinuxは浅い
- 勉強量はLPIC-1と同程度
AWS認定資格
- クラウドが中心。Linuxは一部のみ
- 難易度は「AWS Cloud Practitioner」ならLPIC-1未満、「AWS Solutions Architect Associate」ならLPIC-2相当
応用情報技術者試験
- IT理論やマネジメント寄り
- 実務スキルとしてはLPICの方がLinux力を証明できる
比較表(例)
資格 | 難易度の目安 | 勉強時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
LPIC-1 | ★★☆☆☆ | 100〜150時間 | Linux入門 |
LPIC-2 | ★★★☆☆ | 150〜250時間 | 中級技術 |
LPIC-3 | ★★★★☆〜★★★★★ | 300時間以上 | 専門性高い |
CCNA | ★★☆☆☆〜★★★☆☆ | 120〜200時間 | ネットワーク基礎 |
基本情報 | ★★☆☆☆ | 100〜150時間 | 広く浅くIT全般 |
AWS SAA | ★★★☆☆ | 150〜200時間 | クラウド技術中心 |
LPIC取得するメリットと活かし方
- 転職活動で有利
Linux実務力の証明として評価されやすい - 実務で役立つ
学習内容がそのままサーバー運用・構築で使える - 他資格との相乗効果
- LPIC+CCNA → ネットワーク+Linuxでインフラ全般に強い
- LPIC+AWS → クラウド・DevOpsに強み
効率的な学習方法と勉強のコツ
- Linux環境を触る
VirtualBoxやVMwareで仮想環境を作り、実際に操作する - 教材を活用
定番の参考書・問題集を繰り返す - 動画学習
UdemyやYouTubeなどで操作を目で確認 - 模擬試験で仕上げ
出題傾向を把握して弱点を補強
まとめ
- LPICはレベルごとに難易度が大きく異なる
- LPIC-1は初心者向け、LPIC-2で即戦力、LPIC-3は専門家レベル
- CCNA・AWS・基本情報など他資格との比較で、自分のキャリアに合った選択ができる
- Linuxに関わるエンジニアを目指すなら、LPICは確実に価値のある資格