CCNPは、Ciscoが認定するネットワークの資格で、CCNAの次のレベルにあたるプロフェッショナル向けの資格です。ネットワークの設計や構築を任されるエンジニアを目指すときの、代表的な目標になっています。
ここでは、CCNPとはどんな資格かを、Ciscoの資格の中での位置づけと試験の仕組みから解説します。7つの分野の違いやコア試験・専門試験の構成に加えて、インフラエンジニアが選ぶ分野と勉強の進め方もまとめました。
この記事で分かること
- CCNPとはどんな資格か、Ciscoの資格の中での位置づけ
- CCNPの種類と、コア試験・専門試験の構成
- CCNPの難易度と、勉強の進め方・取得するメリット
CCNPとは?
Ciscoの資格の中での位置づけ
CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、Ciscoの資格の中で中級から上級にあたるプロフェッショナルのレベルです。
Ciscoのネットワークの資格は、主に次の3つの段階に分かれています。
| レベル | 資格 | 対象 |
|---|---|---|
| アソシエイト | CCNA | ネットワークの基礎を身につけた人 |
| プロフェッショナル | CCNP | ネットワークの設計・構築・運用を実務で担う人 |
| エキスパート | CCIE | 高度な設計とトラブルシューティングができる専門家 |
CCNPは、CCNAで学んだ基礎の上に、より深い技術と、特定の分野の専門性を積み上げる資格です。CCNAについては、[CCNAとは]で解説しています。
CCNAがネットワークの「全体の基礎」を問うのに対して、CCNPは選んだ分野を「深く」問う資格です。
難易度や受験料、取る順番の比べ方は、[CCNAとCCNPの違い]で詳しく解説しています。
受験資格と有効期限
CCNPには、受験資格がありません。CCNAを持っていなくても受験できます。ただし、試験はCCNAのレベルの知識を前提にしているため、まずはCCNAで基礎を固めてから挑戦するのが一般的です。
認定の有効期限は3年です。期限までに、決められた試験に合格するか、Ciscoの学習の単位(CE)を集めると更新できます。
CCNPの種類と試験の構成
コア試験と専門試験の2つに合格する
CCNPは、コア試験1つと、専門試験(コンセントレーション試験)1つの、2つの試験に合格すると認定されます。
| 試験 | 内容 | 受験料の目安 |
|---|---|---|
| コア試験 | その分野の中心となる技術を幅広く問う。試験時間は120分 | 400ドル |
| 専門試験 | 設計、高度なルーティングなど、さらに絞ったテーマを深く問う | 300ドル |
2つの試験は、別々の日に受けられます。どちらか1つに合格するだけでも、「スペシャリスト」の認定が得られます。受験料は円での金額や時期によって変わるため、Cisco公式サイトで確認してください。
主な分野と、コア試験
CCNPは、分野ごとに認定が分かれています。主な分野は次のとおりです。
| 分野 | コア試験 | 主な対象 |
|---|---|---|
| エンタープライズ(Enterprise) | ENCOR(350-401) | 企業のネットワークの設計・構築・運用 |
| ワイヤレス(Wireless) | WLCOR(350-101) | 無線LANの設計・構築 |
| セキュリティ(Security) | SCOR(350-701) | ネットワークのセキュリティ |
| データセンター(Data Center) | DCCOR(350-601) | データセンターのネットワークとサーバーの基盤 |
| サービスプロバイダー(Service Provider) | SPCOR(350-501) | 通信事業者のネットワーク |
| コラボレーション(Collaboration) | CLCOR(350-801) | 音声やビデオ会議の基盤 |
| オートメーション(Automation) | AUTOCOR | ネットワークの自動化とプログラミング |
2026年には、ワイヤレスがエンタープライズから独立した分野になり、旧DevNetの認定が「オートメーション」に名前を変えて再編されました。
分野や試験の番号は見直されることがあるため、受験する前にCisco公式サイトで最新の構成を確かめましょう。
インフラエンジニアにおすすめの分野
| 今の仕事・目指す方向 | おすすめの分野 |
|---|---|
| 企業のネットワークの設計・構築に関わりたい | エンタープライズ |
| 無線LANの設計を担当している | ワイヤレス |
| ネットワークのセキュリティを強くしたい | セキュリティ |
| データセンターやAIインフラのネットワークに関わりたい | データセンター |
| 構成管理やネットワークの自動化を進めたい | オートメーション |
ネットワークエンジニアが最初に目指すなら、ルーティングやスイッチングを幅広く扱うエンタープライズが定番です。データセンターの分野は、GPUサーバーをつなぐAI向けのネットワークにも関わる分野です。
AI向けのデータセンターについては、[AIデータセンターとは]で紹介しています。
CCNPの勉強の進め方と取得するメリット
実務の経験を前提にした試験
CCNPは、設計の判断や高度な設定、トラブルシューティングまで問う資格です。とくにコア試験は、その分野の技術を幅広く深く問うため、参考書を読むだけでは合格が難しいとされています。
ネットワークの構築や運用の実務経験があると、問われている場面を想像しやすくなります。
勉強の進め方
CCNPは、次の順番で進めると無理なく合格を目指せます。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. CCNAで基礎を固める | ルーティングやスイッチングの基本を、自分で説明できる状態にする |
| 2. 分野を選ぶ | 今の仕事や目指す方向に合わせて、分野を1つ選ぶ |
| 3. コア試験から取り組む | 分野の全体を学べるコア試験から始め、合格を目指す |
| 4. 専門試験で深める | 得意にしたいテーマの専門試験を選び、CCNPの認定を完成させる |
どのステップでも、シミュレーターや実機で複雑な構成を組み、わざと障害を起こして直す練習が欠かせません。現場での設計や障害対応の経験が、そのまま試験の力になります。
取得するメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 設計・構築の仕事を任されやすくなる | 深い知識と応用の力を客観的に示せる |
| 年収やキャリアアップにつながる | 資格手当の対象や、昇格の条件にしている企業もある |
| 専門性を示せる | 分野を選ぶため、自分の強みをはっきり伝えられる |
| CCIEへの足がかりになる | コア試験は、CCIEの筆記試験(資格を得るための試験)も兼ねている |
CCNPは、運用・保守から設計・構築へ進みたいネットワークエンジニアにとって、とくに価値の高い資格です。
ほかのネットワークの資格は、[ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧]で紹介しています。
CCNPでよくある疑問
CCNAを持っていなくても受けられる?
受けられます。CCNPに受験資格はありません。ただし、試験はCCNAのレベルの知識を前提にしているため、先にCCNAを取って基礎を固めておくと、学習がスムーズに進みます。
日本語で受けられる?
多くのコア試験は、日本語でも受験できます。ただし、専門試験の中には英語だけのものもあるため、受ける試験ごとに対応する言語を確認しておきましょう。
CCNAの改定(v2.0)は、CCNPに影響する?
直接の影響はありません。2027年2月に新しくなるのはCCNAの試験です。ただし、CCNAで学ぶ基礎はCCNPの土台になるため、新しいCCNAで強化される運用やトラブルシューティングの力は、CCNPでも役立ちます。
CCNAの改定については、[CCNA v2.0とは]で解説しています。
CCNPを取ると、CCNAはどうなる?
CCNPのレベルの試験に合格すると、持っているCCNAの有効期限も更新されます。CCNPを目指して学ぶことが、CCNAを保つことにもつながります。
どの分野から取ればいい?
ネットワークエンジニアなら、まずはエンタープライズがおすすめです。ルーティングやスイッチングを幅広く扱い、多くの現場で役立ちます。そのうえで、セキュリティやデータセンターなど、仕事に合わせて分野を広げていきましょう。
まとめ
CCNPは、CCNAの次のレベルにあたる、ネットワークのプロフェッショナル向けの資格です。この記事のポイントは次のとおりです。
- CCNPとは
CCNAとCCIEの間にあたるプロフェッショナルのレベルで、選んだ分野の技術を深く証明する資格。 - 試験の構成
コア試験1つと専門試験1つに合格すると認定される。受験資格はなく、有効期限は3年。 - 主な分野
エンタープライズ、ワイヤレス、セキュリティ、データセンター、サービスプロバイダー、コラボレーション、オートメーション。 - 勉強の進め方
CCNAで基礎を固め、分野を選んでコア試験から取り組む。複雑な構成を組んで試す練習が合格の土台になる。 - 分野の選び方
ネットワークエンジニアならまずエンタープライズ。そのうえで仕事に合わせて分野を広げる。
CCNPは、運用・保守から設計・構築へ進みたいネットワークエンジニアにとって、キャリアを広げる大きな一歩になります。まずはCCNAの基礎を固め、目指す分野のコア試験の範囲を確かめてみましょう。

