エンジニアを目指している方の中には、Linuxの勉強を始めたい、始めたばかりという方も多いのではないでしょうか。
Linuxの学習に取り組む前に、コマンドがどういう仕組みのものかを理解しておくと、学習のハードルが下がり、スムーズに始められます。
ここでは、未経験からITエンジニアへの転職を目指す方向けに、Linuxコマンドの基本概念、よく使うコマンドの種類、効果的な練習方法を解説します。
- Linuxコマンドの基本的な仕組みとCUI操作の考え方
- よく使うコマンドの種類(7分野の代表的なコマンド一覧)
- コマンドを練習する環境の作り方と効果的な学習方法
1.Linuxのコマンドとは
コマンドとは、直訳すると「命令」という意味で、コンピューターに指示を与えるものです。
Linuxは、CUI(キーボードでコマンドを入力し、その結果を受けるスタイル)のOSです。画面上にコマンドを打ち込んで、コンピューターに必要な操作を指示していきます。コマンドの入力は、GUI(ウィンドウを表示してマウスで操作するスタイル)環境の上に用意された「端末」や「コマンドプロンプト」といったアプリケーションから行います。
Linux自体は、WindowsやMacと同じOSの一つで、コンピューター上のすべてのハードウェアを管理するソフトウェアです。オープンソースで自由に改変・再配布できる点、そして多くのOSがGUI中心であるのに対しLinuxはCUI中心である点が大きな特徴です。
CUIでの操作に慣れておくと、他のプログラミング言語を学習する際のハードルも下がるため、エンジニアとしてのキャリアを広げる土台になります。最初はコマンドに慣れるまで時間がかかりますが、自分のペースで少しずつ覚えていけば問題ありません。
2よく使うLinuxコマンド一覧(7分野)
Linuxでよく使用されるコマンドは、大きく7つの分野に分けられます。
1-1.コマンド入力を楽にする
Tab補完、bashショートカット。「Ctrl+A」「Ctrl+E」で行頭・行末にカーソル移動、「Ctrl+U」「Ctrl+K」で行頭・行末まで削除するなど、入力の手間を減らすショートカットです。
1-2.ディレクトリの確認
pwd(現在のディレクトリの絶対パスを表示)、ls(ファイル・ディレクトリを表示)、tree(ディレクトリ構造を表示、別途インストールが必要)。
1-3.階層移動とファイル操作
cd(ディレクトリ移動)、mkdir、touch、mv、cp、rm、tar。ファイルやディレクトリの作成・移動・削除といった基本操作を担います。
1-4.テキスト処理
cat、wc、head、tail、sort、uniq、grep、sed、awk、xargs、less。「フィルタコマンド」と呼ばれ、テキスト処理を効率的に行えます。
1-5.インストールまわり
apt、yum、sudo、su、echo、env、which、whereis、source、chmod、chown、systemctl。ソフトウェアのインストール・更新や、ユーザー切り替え、権限管理に使います。
1-6.OSまわり
date、df、du、free、top、ps、kill、pkill、pgrep、netstat。CPU・メモリの使用状況やディスクの空き容量など、OSの状態を確認する際に使用します。
1-7.その他
find、history、diff、jobs、bg、fg、for。実行中のジョブの確認やループ処理など、応用的な操作を担います。
いきなりすべてを覚える必要はありません。まずは②③のディレクトリ操作・ファイル操作から慣れていくのがおすすめです。
3. コマンドを練習する環境の作り方
コマンドの練習には、まずLinuxを扱える環境を用意する必要があります。方法は主に3つです。
クラウド上で仮想環境を作る
「PaizaCloud」などのクラウド開発環境を使えば、ブラウザからすぐにLinux環境を利用できます。コンピューターの容量やメモリを消費せず、OSに左右されない環境を他の人と共有しやすいのも利点です。仲間と一緒に学習を進めたい方におすすめです。
コンピューター上で仮想環境を作る
VirtualBoxなどの仮想化ソフトウェアを使い、1台のコンピューター上に仮想的なLinux環境を構築する方法です。クラウドと違い、事前に仮想化ソフトの準備が必要な点はやや手間がかかります。
ターミナルで練習する
Mac OSの場合、標準のターミナルアプリでコマンド練習ができます。起動してすぐ使える手軽さが魅力ですが、他の人との環境共有はできません。LinuxとMac OSのコマンドは似ている部分が多いため、Mac OSに慣れている方には入りやすい方法です。
4. コマンドを練習する方法
環境が整ったら、次は具体的な学習方法です。
学習サイトを利用する
最も手軽な方法です。基礎から応用まで、動画も交えて解説してくれるサービスが多く、映像と結びつけて覚えたい方に向いています。
参考書を使う
自分のペースに合わせて、必要な部分にメモを残しながら学習できます。学習サイトの決まった手順だけでは身につきにくいと感じる方におすすめです。
資格の勉強をする
期限付きのゴールを設定したい方には、資格の勉強も効果的です。Linuxを学ぶのにおすすめの資格は「LPIC」と「LinuC」で、どちらもレベル2程度まで合格すれば、実務で十分通用するスキルの証明になります。
両資格の違いや詳しい難易度については、[LPICとは?資格の概要・取得するメリットを解説][LinuCとは?資格の概要・取得するメリットを解説]で詳しく紹介しています。
5. まとめ
最初はLinuxのコマンドを難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば、クラウドサービスやサーバー関連、IoT技術など幅広い分野で活躍できるスキルになります。
まずはディレクトリ操作やファイル操作といった基本コマンドから、クラウド環境やターミナルを使って気軽に触れてみましょう。本格的に学習を進めたい方は、LPICやLinuCといった資格を目標に設定するのもおすすめです。
