こんにちは。「テックドック・キャリア」の編集員です。
「ネットワークエンジニアに興味はあるけれど、未経験でも本当に目指せるのか?」多くの方が抱くこの疑問は、結論から言うと “十分に可能” です。
一方で、何から学ぶべきか、どのように転職活動を進めればいいのかなど、全体像が見えにくいという課題もあります。
本ガイドでは、「職種理解 → 学習 → 転職活動 → 入社準備」 の4ステップで未経験者がつまずきやすいポイントを整理しながら、最短でネットワークエンジニアを目指す方法を網羅的に解説します。
企業内のコンピュータ同士が安全かつ安定して通信できるように、ネットワーク(LAN・WAN・VPN・クラウド)の設計・構築・運用・保守を行うITエンジニア。
ネットワークエンジニア転職ロードマップ(全体像)
未経験からネットワークエンジニアを目指す際は、以下の4つのフェーズを意識すると成功率が大幅に上がります。
- 【職種理解】ネットワークエンジニアの仕事とキャリアを知る
- 【基礎学習】必要な知識・スキルとIT資格を取得する
- 【転職活動】転職サービスを活用して、内定を獲得する
- 【入社準備】入社後の成長ロードマップを描く
この順番を踏むことで、無駄なく効率的な転職活動が可能になります。
【職種理解】ネットワークエンジニアの理解を深める
まずは、ネットワークエンジニアという職種が、どんな役割で?どんな仕事をしているのか?について、関連記事「ネットワークエンジニアとは?役割・仕事内容を解説」を読んで理解を深めていきましょう。
簡単に説明しておくと、ネットワークエンジニアとは、企業内のコンピュータ同士が安全かつ安定して通信できるように、ネットワーク(LAN・WAN・VPN・クラウド)の設計・構築・運用・保守を行うエンジニア です。
さらに、ネットワークは、企業のITインフラを支える“生命線”とも言える存在で、需要の高さに加え、未経験から挑戦できる入口の広さが魅力です。
【基礎学習】必要な知識・スキルとIT資格を取得する
次に、ネットワークエンジニアに求められる、ITリテラシーとネットワーク基礎の知識とスキルを学んでいきます。
| ITリテラシー | ネットワーク基礎 |
|---|---|
| PCの基本操作 インターネットの仕組理解 Excel・PowerPointの基本操作 Linuxの基本コマンド | IPアドレス(ネットの住所) DNS(名前をIPに変える) DHCP(IPを自動で配る) ルーティング(通信の通り道を決める) VLAN(ネットワークを区切る仕組み) |
まずは、これらが理解できればOKです。より詳しい内容は、関連記事「ネットワークエンジニアに必要な知識・スキルを解説:学び方とおすすめ教材」で確認してください。
それと可能なら、転職が有利になるIT資格「CCNA」を取得しておきたいです。これについては、関連記事「ネットワークエンジニアを目指すなら「CCNA」を取得するべき理由と勉強法」を読んでおきましょう。
未経験でCCNAを持っている人材は希少なので、転職活動がグっと進みやすくなります。
【転職活動】転職サービスを活用して、内定を獲得する
続いて、転職活動を進めていくには、転職サービス(転職エージェント・転職サイト)を利用していきます。転職サービスを選ぶ時のポイントは、以下の3つになります。
- 求人の“保有数”が多い
- IT専門でサポート力が高い
- サービスや担当者との相性が良い
求人の“保有数”が多い
未経験者の場合、実務経験を前提としない求人をどれだけ持っているかが最重要です。特にIT・Web業界は企業ごとに未経験採用の基準が異なるため、サービスによって紹介できる案件の質に大きな差が出ます。
IT専門でサポート力が高い
IT専門のサービスは、業界やエンジニアに詳しいため、サポートの中で、より理解を深められる点と、未経験者は、書類・面接対策で差がつくため、担当者の支援力が転職成功率を左右します。
サービスや担当者との相性が良い
転職サービスは1社だけだと視野が狭くなります。未経験者は特に、求人の幅+サポート力+担当者との相性が大切なので、複数を併用しながら比較することが重要です。
【入社準備】入社後の成長ステップを描く
未経験からネットワークエンジニアとして入社したあとは、「何をどの順番でできるようになるか」をイメージしておくことで、入社後の成長スピードが大きく変わります。
ここでは、入社前に描いておくべき 成長ステップ と、スムーズにスタートを切るための具体的な準備を解説します。
入社後の1年をデザインすることが転職成功の鍵
未経験スタートでも、成長ステップを“事前に”整理しておくことで、「やるべきこと」「伸ばすスキル」「目指す姿」が明確になり、結果として早期活躍につながります。
入社前に作るロードマップは、あなた自身のキャリアの指針になります。学習・心構え・具体的な成長目標をセットで準備し、スタートダッシュを決めましょう。
入社前に押さえるべき成長ステップの全体像
ネットワークエンジニアは、以下の3つのフェーズで成長していきます。
- ① 基礎理解フェーズ(0〜3ヶ月)
- ② 実務経験フェーズ(3〜12ヶ月)
- ③ スキル深化フェーズ(1〜3年)
① 基礎理解フェーズ(0〜3ヶ月)
- 社内ルール、業務の流れを理解する
- ネットワークの基本構成・用語を再確認
- 監視業務や簡易オペレーションを担当
- 先輩の作業に同行し、現場の流れをつかむ
② 実務経験フェーズ(3〜12ヶ月)
- 障害対応の一次切り分けができるようになる
- 手順書に沿った設定変更作業を担当
- 小規模案件の運用・保守を任される
- ログ分析、機器交換、簡易設計の経験を積む
③ スキル深化フェーズ(1〜3年)
- ネットワーク構築や要件定義に携わる
- 中規模案件のプロジェクトメンバーとして参画
- Cisco・AWS・セキュリティ領域など専門性を伸ばす
- 部署によっては後輩指導や改善提案にも挑戦
入社前に準備しておくべきこと(学習・心構え)
入社前の過ごし方で現場に出たときの理解度が大きく変わります。
- ① 基本用語・コマンドの復習
- ② IT基礎(OS・クラウド)の最低限理解
- ③ 仕事の進め方に関する心構え
① 基本用語・コマンドの復習
- VLAN / DNS / DHCP / ルーティング など
- Cisco ルーター・スイッチの基本コマンド
- ping / tracert / show 系コマンドの意味
※CCNAテキストの前半章を見返すだけでも効果大。
② IT基礎(OS・クラウド)の最低限理解
- OSの基礎(Windows / Linuxの違い)
- クラウド(AWS・Azure)の基本概念
- セキュリティの基本姿勢(パスワード管理、権限管理など)
③ 仕事の進め方に関する心構え
- メモを徹底して取り、復習する習慣
- 分からないことを曖昧にしないコミュニケーション
- 報連相のタイミングを意識する(早め・簡潔・正確)
- 手順書の意味を理解しながら進める姿勢
入社後1年の成長イメージを「見える化」する
入社後の不安を減らすために、次のような形でステップを作成しておくのがおすすめです。
1ヶ月後
- 基本的な監視・受付オペレーション
- 社内ツールの使い方
- ネットワーク構成図の読み方の理解
3ヶ月後
- 障害の一次対応
- 先輩同行のもと、設定変更作業
- ログの読み方や簡単な原因分析
6ヶ月後
- 小規模案件の担当
- 顧客との基本的なコミュニケーション
- トラブル対応の手順を自走して実施
12ヶ月後
- 構築作業の一部または改善提案
- ネットワーク全体像の理解
- 専門性につながる領域(Cisco / AWS / セキュリティなど)の学習継続
成長ロードマップを描くメリット
- 何を学ぶべきか迷わなくなる
- 現場での吸収力が上がり成長速度が早まる
- 上司や先輩とのコミュニケーションがスムーズになる
- 目標管理(MBO)や評価面談で有利に働く
ロードマップを描いておくことは、未経験者が最短で成果を出すための「自分専用カーナビ」のような存在です。
まとめ:未経験からネットワークエンジニアを目指すあなたへ
未経験からネットワークエンジニアを目指すことは、大変に思える一方で、再現性の高いステップを踏めば着実に実現できます。本ガイドで解説したように、転職成功までの流れは 「職種理解 → 基礎学習 → 転職活動 → 入社準備」 の4段階に整理できます。
まずは、ネットワークエンジニアという職種の役割や働き方を知り、自分がどのようなキャリアを描きたいのかを明確にすることがスタート地点です。次に、CCNAをはじめとした基礎学習で土台を作り、現場で迷わない知識と技術を身につけていきます。
転職活動では、未経験向け求人を多く扱うサービスを活用しながら、書類対策・面接対策を進めることで、あなたのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。そして内定後は、入社後1年間の成長イメージを具体化し、ロードマップとして描くことで、実務に入った後の吸収力や成長スピードが大きく変わります。
ネットワークエンジニアは、ITインフラを支える“縁の下の力持ち”として高い需要が続いており、スキルを積むほどキャリアの選択肢が広がる職種です。運用保守から構築、クラウド、セキュリティなど、あなたの興味に合わせて専門性を伸ばしていけるのも大きな魅力です。
未経験だからこそ、今から着実に一歩ずつ進めれば大丈夫です。本ガイドが、あなたが理想のキャリアを手に入れるための確かな指針となり、次のアクションにつながることを願っています。





