ネットワークエンジニアに必要な知識・スキルを解説:学び方とおすすめ教材

カタカタッ

こんにちは。「テックドック・キャリア」の編集員です。

ネットワークエンジニアを目指したいと思っても、「何から学べばいいのかわからない…」
「必要なスキルが多すぎて難しそう…」と感じる方は多くいます。

結論から言うと、ネットワークエンジニアに必要な知識・スキルは、体系的に学べば未経験でも十分に習得できます。

本記事では、基礎知識 → 実践スキル → 学習手順 → おすすめ教材の順に、やさしく分かりやすく解説していきます。

ネットワークエンジニアに必要な知識・スキル(全体像)

ネットワークエンジニアとは?役割と仕事内容

ネットワークエンジニアは、企業やサービスを支える通信ネットワーク(LAN・WAN・VPNなど)が正常に動くよう、設計・構築・運用・保守を担当する職種です。

具体的には、以下のような仕事を行います。

  • ネットワーク環境の設計・構築
  • ルーターやスイッチなど機器の設定
  • 障害発生時のトラブルシューティング
  • ネットワーク監視
  • セキュリティ対策の実施

ネットワークは企業活動の“根幹”なので、安定運用に責任を持つ重要な職種です。

必要なスキルは3つの領域に分かれる

ネットワークエンジニアに求められるスキルは、次の3種類に分けられます。

  1. 基礎ITリテラシー(PC操作、セキュリティ理解、コマンド操作など)
  2. ネットワーク技術(OSIモデル、TCP/IP、ルーティング、セキュリティなど)
  3. 実務スキル(障害対応、ドキュメント作成、コミュニケーション)

これらは順番に習得することで、無理なく理解できます。

ネットワークエンジニアに必要な“基礎知識”

① ITリテラシー(PC操作・コマンド・セキュリティ基礎)

最初に必要なのは、PC操作やITの基礎概念です。

  • OSとは何か
  • プロセスやメモリの仕組み
  • ファイルシステム
  • セキュリティの基本概念
  • コマンドライン(CLI)の基礎操作

ITパスポートレベルの基礎知識があれば十分です。

② ネットワーク基礎(OSI参照モデル・TCP/IP)

ネットワーク技術は、下記の2つを理解すると一気に学びが進みます。

  • OSI参照モデル(7階層モデル)
  • TCP/IP(インターネット通信の仕組み)

ネットワーク学習の“土台”となる部分のため、最初に学ぶべき領域です。

③ IPアドレスとサブネットの理解

ネットワーク構築には必須の知識です。

  • IPアドレスの仕組み
  • サブネットマスク
  • CIDR
  • デフォルトゲートウェイ

これらは一見むずかしく見えますが、例題を解くとすぐに理解できるようになります。

④ ルーティング・スイッチングの基本

ネットワーク機器の基本動作を理解します。

  • ルーターの役割
  • スイッチの役割(L2/L3の違い)
  • 静的ルーティング
  • VLAN
  • STP(スパニングツリープロトコル)

ここまで理解できれば、基礎ネットワーク技術はかなり固まります。

⑤ ネットワークセキュリティの基礎

ネットワーク運用ではセキュリティの知識も必須です。

  • ファイアウォール
  • IDS/IPS
  • VPN
  • 暗号化の基本

クラウド・リモートワークが増えた今は、特に需要が高まっています。

⑥ クラウドのネットワーク基礎(AWS VPC / Azure)

インフラ環境の多くがクラウドへ移行しているため、最低限触れる必要があります。

  • AWS VPC(ネットワークの基本単位)
  • サブネット/ルートテーブル
  • セキュリティグループ
  • VPN/Direct Connect

クラウドの理解は、キャリアの幅を大きく広げます。

現場で求められる“実務スキル”

① 障害対応(原因切り分け・ログ分析)

ネットワークがつながらないときに、どこが原因かを論理的に調べるスキル。

  • ping
  • traceroute
  • show コマンド(Cisco機器)
  • ログの確認

実務ではこのスキルが最も重要と言っても過言ではありません。

② ドキュメント作成(構成図・手順書)

ネットワークは多くの人と共有しながら運用するため、

  • ネットワーク構成図
  • 設計書
  • 手順書

などのドキュメント作成は必須です。

③ コミュニケーション・折衝スキル

ネットワーク機器の入れ替えや設定変更では、他部署との調整が多く発生します。

  • 報連相
  • 障害の報告
  • 作業調整

技術力だけではなく、やり取りのスキルも評価されます。

④ 継続的に学習する力

ネットワーク技術は変化が速いため、最新の技術を追い続ける姿勢が必要です。

未経験者向け|学び方のステップ(ロードマップ)

STEP1:IT基礎を学ぶ(ITパスポートレベル)

PC・OS・セキュリティの基本を理解。

STEP2:ネットワーク基礎を理解する(OSI / TCPIP)

書籍か動画でまず“概念”を理解する。

STEP3:ハンズオンで理解を深める(Packet Tracer / EVE-NG)

実際に触ってみることで、理解が一気に進む。

STEP4:資格学習に進む(CCNAが最適)

体系的にネットワーク知識を習得できる。

STEP5:サーバー・クラウドの基礎も触れる(LinuC / AWS)

インフラ全体の理解が深まる。

STEP6:実務レベルの練習(ログ分析・障害対応演習)

Ping-tや演習教材で実践力を鍛える。

ネットワークエンジニアにおすすめの教材(目的別

書籍(基礎理解がしやすい)

  • *ネットワークはなぜつながるのか
  • *マスタリングTCP/IP入門編
  • *徹底攻略 CCNA問題集・教科書

初心者でもわかりやすく、基礎づくりに最適。

動画教材(挫折しにくい)

  • Udemy の CCNA・ネットワーク基礎講座
  • YouTube(CCNA解説チャンネルなど)

図解が多く、効率的に理解できます。

ハンズオン教材(実機感覚をつかむ)

  • Cisco Packet Tracer
  • EVE-NG
  • GNS3

コマンドを使う練習ができ、実務に直結。

資格対策教材(CCNA・LinuC)

  • Ping-t
  • 公式教科書・問題集

未経験から最も使われる王道教材です。

資格は必要?ネットワークエンジニアが取得すべき資格

CCNA(必須レベル)

ネットワーク基礎を体系的に学べ、転職でも評価される資格。

LinuC(サーバー知識の補強)

ネットワークだけでなく、サーバーも理解できるようになる。

AWS認定資格(クラウド時代の必須知識)

ネットワーク+クラウドのスキルが評価され、キャリアの幅が広がる。

ネットワークエンジニアに向いているタイプ

  • 物事を論理的に考えるのが好き
  • コツコツ作業が得意
  • 仕組みを理解するのが好き
  • 問題解決にやりがいを感じる
  • 学習を続けられるタイプ

興味と適性があれば、未経験でも十分に目指せます。

まとめ|基礎 → 実践 → 資格 →クラウドの順で学べば誰でも目指せ

ネットワークエンジニアに必要な知識・スキルは多いように見えますが、
正しい順番で学べば、着実に習得できます。

  • 必要スキルは「IT基礎」「ネットワーク基礎」「実務スキル」
  • CCNAは必ず役立つ
  • Packet Tracer や Udemy で実践しながら学ぶのが効率的
  • クラウドを学べば市場価値が大きく上がる

まずはネットワークの基本から一歩ずつ進んでいきましょう。

この記事を書いた人

大学卒業後、新卒で入社した会社を1ヶ月で退職。その後は、インフラ系のITエンジニア⇒ITエンジニア人材の法人営業(SES)⇒ITエンジニア転職エージェントの責任者⇒独立。現在は、“企業側”“現場側”“求職者側”の三方向を理解したITエンジニアのキャリア支援をおこなう。