CCNAとLPIC、未経験の転職にはどちらが先か

未経験からインフラエンジニアを目指すと、「CCNAとLPICのどちらを先に取ればいいのか」と迷うことがあります。どちらもよく名前が挙がる資格ですが、学べる分野が違うため、選び方を間違えると、学習の方向がずれてしまうこともあります。

結論から言うと、どちらが先かは、目指す職種で分かれる傾向があります。ネットワークエンジニアを目指すならCCNA、サーバーやクラウドを目指すならLPICが候補になります。なお、どちらも応募の必須条件ではありません。

ここでは、2つの違いと、選び方の考え方を解説します。

この記事でわかること

  • CCNAとLPICの違い
  • 目指す職種ごとの、先に学ぶ資格の考え方
  • 迷ったときの選び方

どちらが先かは、目指す職種で決まる

先に結論を整理します。目指す職種ごとの候補は、次のとおりです。

結論:ネットワークならCCNA、サーバー・クラウドならLPICが候補

  • ネットワークエンジニアを目指す→ CCNAが候補
  • サーバーエンジニアやクラウドエンジニアを目指す→ LPICが候補
  • 職種がまだ決まっていない→ 資格より先に、職種の候補を絞る
目指す職種ごとに、先に学ぶ資格の候補を示した図。ネットワークエンジニアを目指す場合は、候補はCCNAで、学べる分野はネットワーク。サーバー・クラウドエンジニアを目指す場合は、候補はLPICで、学べる分野はLinux。職種がまだ決まっていない場合は、資格より先に職種の候補を絞り、職種の違いを確かめる。どちらも、応募の必須条件ではない。

CCNAはネットワーク、LPICはLinuxという、学べる分野が違います。そのため、「どちらが優れているか」ではなく、「自分が目指す仕事につながるのはどちらか」で考えると、選びやすくなります。

資格は必要条件ではない

資格は、応募の必須条件ではありません。学習の進み具合を示す材料として、評価されやすいとされています。資格そのものの要否や、選び方の全体は、[未経験からのインフラエンジニア転職に資格は必要?取るなら何を選ぶべき?]で整理しています。

CCNAとLPICの違い

2つの資格は、学べる分野と、つながりやすい職種が違います。

項目CCNALPIC
分野ネットワークLinux
認定している組織シスコシステムズLPI(Linux Professional Institute)
学べる内容の例IPアドレス、ルーティング、スイッチングなど、ネットワークの基礎Linuxの基本操作、ファイルやユーザーの管理など、サーバー運用の基礎
つながりやすい職種ネットワークエンジニアサーバーエンジニア、クラウドエンジニア

試験の形式や、レベル名、受験料などの詳細は、公式サイトでご確認ください。

CCNAは、ネットワークの基礎を示す資格

CCNAは、ネットワーク機器で知られるシスコシステムズが認定している、ネットワーク分野の資格です。通信の仕組みについて、基礎的な理解を示す材料として、ネットワーク職で評価されやすいとされています。

LPICは、Linuxの基礎を示す資格

LPICは、Linuxの知識を示す資格です。サーバーではLinuxが使われることが多いため、サーバー職やクラウド職を目指す人の学習の手がかりになりやすいとされています。同じLinux分野の資格として、LinuCという資格もあります。違いは公式サイトでご確認ください。

ネットワークを目指すなら、CCNAを先にする考え方

ネットワークエンジニアを目指す場合は、CCNAを先に学ぶと、目的とのつながりが説明しやすくなります。

CCNAで学べることと、ネットワーク職とのつながり

ネットワーク職の仕事では、IPアドレスや、ルーター・スイッチの仕組みを理解していることが、設定作業や障害対応の基礎になります。CCNAで学ぶ内容は、そこにつながりやすいとされています。この職種は、運用・監視から入りやすいとされています。

職種の目指し方は、[未経験からネットワークエンジニアになるには]で解説しています。

面接での伝え方

資格を取得している場合も、学習中の場合も、「なぜこの資格を選んだか」を話せると、目的が伝わりやすくなります。たとえば、「ネットワークエンジニアを目指しているので、通信の基礎を学ぶためにCCNAを選びました」といった伝え方です。

面接で見られるポイントは、[未経験からインフラエンジニアへの転職|書類・面接で見られるポイント]で整理しています。

CCNAは、採用を保証するものではない

CCNAを取れば採用される、というものではありません。あくまで、学習の進み具合を示す材料のひとつです。応募する求人の応募条件も、あわせて確認してください。

サーバーやクラウドを目指すなら、LPICを先にする考え方

サーバーエンジニアやクラウドエンジニアを目指す場合は、LPICを先に学ぶと、目的とのつながりが説明しやすくなります。

LPICで学べることと、サーバー職とのつながり

サーバーの運用や設定では、Linuxを扱うことが多くあります。LPICで学ぶ内容は、基本操作や、ファイル・ユーザーの管理など、そこにつながりやすいとされています。この職種は、運用・保守から入りやすいとされています。

職種の目指し方は、[未経験からサーバーエンジニアになるには]で解説しています。

クラウドを目指す場合の考え方

クラウドは、最初から目指すより、サーバーやネットワークを経て進む人が多いとされています。クラウド上のサーバーでもLinuxが使われることがあるため、LPICで学ぶ内容が役立つ場面もあります。

目指し方は、[未経験からクラウドエンジニアになるには]をご確認ください。

職種がまだ決まっていないときの選び方

「職種を決められない」ときは、資格を選ぶ前に、いくつか確認しておくことがあります。

資格より先に、職種の候補を絞る

資格の分野が目指す職種と合っていないと、学習の方向がずれてしまうことがあります。まずは、どんな職種があるかを確かめましょう。

職種の違いと目指しやすい順番は、[インフラエンジニアの種類|未経験から目指しやすいのはどれか]で解説しています。

基礎用語を学んでから選ぶ

いきなり資格の勉強を始めるより、ネットワークやサーバーの基礎用語を学んでから、自分に合う分野を選ぶという順もあります。

勉強の順番は、[未経験からのインフラ勉強ロードマップ]で、資格を考える位置づけ(段階4)も含めて整理しています。

両方取る場合の考え方

両方を取る必要はありません。先に一方を学び、必要に応じてもう一方を検討するという進め方もあります。ネットワークとサーバーはつながりのある分野なので、両方の基礎を知っていることが役立つ場面もあります。

資格を選ぶ前に確認したいこと

  • 目指す職種の候補がある
  • その資格を選ぶ理由を、自分の言葉で説明できる
  • 資格の勉強と、転職活動を並行して進めることを考えている
  • 応募したい求人の応募条件を確認した(資格を求めているか)

すべて完璧にそろえる必要はありません。迷ったときは、一つずつ確認していけば十分です。

よくある疑問

Q. 両方取らないとだめ?

必須ではありません。目指す職種と、応募する求人の条件に合わせて選びます。

Q. 資格がないと応募できない?

応募できます。資格は必須条件ではなく、あれば学習の進み具合を示す材料になります。選び方は、[未経験からのインフラエンジニア転職に資格は必要?取るなら何を選ぶべき?]をご確認ください。

Q. 試験は難しい?

難しさの感じ方は人によって異なります。学習の進め方は、[未経験からのインフラ勉強ロードマップ]で整理しています。

Q. 勉強にどれくらいかかる?

人によって幅があり、一概には言えません。前職の忙しさや、どこまでをゴールにするかで変わります。公式の情報がある場合は、そちらもあわせてご確認ください。

Q. 他の資格(AWSなど)は?

この記事では、CCNAとLPICに絞っています。他の資格を含めた選び方は、[未経験からのインフラエンジニア転職に資格は必要?取るなら何を選ぶべき?]で整理しています。

まとめ

CCNAとLPICでどちらを先に学ぶかで、押さえておきたいのは次の3点です。

  • どちらが先かは、目指す職種で分かれる傾向がある
  • CCNAはネットワーク、LPICはLinuxの基礎を示す資格である
  • 資格は必須ではなく、迷ったときは職種を決めるのが先

資格は、学習の進み具合を示す材料のひとつです。目指す職種とのつながりを確かめながら、無理のない順で進めてください。

記事の企画・執筆

IT基盤エンジニア(ネットワーク・サーバー・クラウド・セキュリティなど)に特化した転職・キャリア支援メディア「テックドック」の編集部。業界の最新動向や資格情報、キャリア形成に役立つ知識を、実務に即した視点で発信しています。