LPICとLinuCの違いは?どっちを先に取るべきか目的別に解説

LPICとLinuCの違いは?どっちを先に取るべきか目的別に解説

Linuxの資格を取ろうとすると、LPICとLinuCのどちらを選ぶかで迷う人が多くいます。どちらもLinuxの技術力を証明する資格で、レベルの分け方や難易度もよく似ていますが、運営する団体や出題の特徴、通用する範囲に違いがあります。

ここでは、LPICとLinuCの違いを、それぞれの成り立ちから解説します。出題範囲や通用する範囲、受験料などの比較に加えて、目的に合わせて、どちらを先に取るべきかもまとめました。

SUMMARY
この記事で分かること
  • LPICとLinuCがどんな資格か、それぞれの成り立ち
  • 出題範囲、通用する範囲、受験料、再認定などの違い
  • 目的に合わせて、どちらを先に取るべきかと、両方取る場合の順番

LPICとLinuCとは?

LPICとは

LPICは、カナダに本部があるLPI(Linux Professional Institute)が認定する、Linuxの技術者の資格です。世界の多くの国で実施されていて、国際的に通用するLinuxの資格として長く知られています。

レベルは、LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3の3段階に分かれています。

LPICの勉強の進め方は、[LPICの勉強方法]で紹介しています。

LinuCとは

LinuCは、日本のLPI-Japanが認定する、Linuxの技術者の資格です。LPI-Japanは、それまで日本でLPICを広めてきた団体で、2018年に日本の現場に合わせた新しい資格としてLinuCを始めました。

レベルは、レベル1からレベル3と、その上のシステムアーキテクトに分かれています。

LinuCの概要は、[LinuCとは]で解説しています。

2つの資格が生まれた背景

LinuCが生まれた背景には、クラウドや仮想化、コンテナが広がり、Linuxを使う現場で求められる知識が変わってきたことがあります。LinuCは、こうした新しい技術も出題範囲に取り入れています。

そのため、LPICとLinuCは、名前やレベルの分け方は似ていますが、別々の団体が運営する、別の資格です。片方に合格しても、もう片方の資格にはなりません。

LPICとLinuCの違い

ひと目で分かる比較

LPICとLinuCの主な違いは、次のとおりです。

項目LPICLinuC
認定団体LPI(カナダ)LPI-Japan(日本)
始まった年2000年2018年
通用する範囲世界おもに日本
レベルLPIC-1〜LPIC-3レベル1〜レベル3、システムアーキテクト
出題範囲の特徴世界共通の、Linuxの標準的な内容仮想化やコンテナなど、日本の現場で使う内容も多い
試験時間1試験90分1試験90分
認定の有効期間5年5年以内の再認定でACTIVEを保つ
難易度同じレベルなら、ほぼ同じ同じレベルなら、ほぼ同じ

出題範囲の違い

LPICは、世界共通の試験として、Linuxの操作やシステムの管理など、どの国でも通用する標準的な内容が中心です。

LinuCは、Linuxの操作に加えて、仮想化やコンテナの基礎、オープンソースの文化など、今の日本の現場で使われている技術も出題されます。とくにレベル1から仮想化やコンテナの基礎に触れられる点が、LPICとの大きな違いです。

通用する範囲の違い

LPICは世界の多くの国で実施されているため、外資系の企業や海外で働くときにも、Linuxの力を示しやすい資格です。

LinuCは日本の資格のため、海外での知名度はLPICに及びません。一方、日本のSIerやデータセンター、インフラの運用・保守の現場では、LPICと同じように評価されることが多く、求人の条件にも並んで書かれることが増えています。

試験と受験料の違い

LPIC-1とLinuCレベル1は、どちらも2つの試験に合格すると認定されます。試験時間はどちらも90分です。

項目LPIC-1LinuCレベル1
認定に必要な試験101試験と102試験の2つ101試験と102試験の2つ
試験時間1試験90分1試験90分(アンケートを除くと85分)
問題数1試験60問1試験約60問
受験料公式サイトで確認1試験16,500円(税込)

LPICの受験料は、為替や時期によって変わることがあるため、申し込む前にLPI公式サイトで確認してください。

有効期間と再認定の違い

LPICは、認定の有効期間が5年です。期間内に同じレベルの試験に再び合格するか、上位のレベルを取ると更新できます。

LinuCは、認定そのものに有効期限はありませんが、認定日から5年以内に同じレベルを取り直すか、上位のレベルを取ると、有効な(ACTIVEの)状態を保てます。どちらも5年ごとに知識を新しくする仕組みと考えておきましょう。

どっちを先に取るべき?目的別の選び方

目的別のおすすめ

どちらを先に取るべきかは、働きたい場所や目指すキャリアによって変わります。

こんな人先に取るのがおすすめ
日本の企業で、サーバーエンジニアやインフラエンジニアとして働きたいLinuC
未経験から、新しい技術も含めて基礎を学びたいLinuC
外資系の企業や、海外でも働きたいLPIC
応募したい求人で、LPICが条件に書かれているLPIC
今の職場で、どちらかの取得がすすめられている職場ですすめられている資格

迷ったときは、日本で働くならLinuCから始めると無理がありません。仮想化やコンテナなど、今の現場で使う知識もまとめて身につけられます。

両方取る必要はある?

多くの場合、どちらか1つで十分です。学ぶ内容の多くが重なっているため、同じレベルを両方取っても、仕事で評価される内容はあまり変わりません。

両方を取る意味があるのは、たとえば日本で働きながら、将来は海外や外資系の企業も考えている場合です。その場合は、LinuCで基礎を固めてから、LPICで国際的な証明を加える進め方がおすすめです。

取ったあとに目指したい資格

LinuCかLPICのレベル1を取ったら、次は目指す方向に合わせて資格を広げていきましょう。

目指す方向次に目指したい資格
サーバーの構築や運用を深めたいLinuCレベル2、またはLPIC-2
実技の力も示したいRHCSA
ネットワークも担いたいCCNA
クラウドの仕事に進みたいAWS認定

Linuxの資格の全体像は[Linuxのおすすめ資格一覧]で、それぞれの難しさは[LinuCの難易度]と[LPICの難易度]で解説しています。

LPICとLinuCでよくある疑問

Q.LPICとLinuC、どちらが難しい?

同じレベルなら、難易度はほぼ同じです。LinuCは仮想化やコンテナなど新しい内容も出題される一方、LPICは世界共通の標準的な内容が中心です。難しさより、働きたい場所や目的で選ぶのがおすすめです。

Q.転職で評価されるのはどちら?

日本の企業への転職なら、どちらも同じように評価されることが多いです。外資系の企業や海外では、LPICのほうが知られています。応募したい求人にどちらの名前が書かれているかを確認しておくと安心です。

Q.LPICの勉強はLinuCに活かせる?

活かせます。Linuxの操作やシステムの管理など、学ぶ内容の多くが重なっています。LPICの知識がある人がLinuCを受ける場合は、仮想化やコンテナなど、LinuCで追加された範囲を重点的に学ぶと効率的です。

Q.未経験ならどちらから始めるべき?

日本で働くなら、LinuCレベル1から始めるのがおすすめです。Linuxの基本操作に加えて、仮想化やコンテナの基礎も学べるため、今の現場で使う知識をまとめて身につけられます。

勉強の進め方は、[LinuCの勉強方法]で紹介しています。

参考書や教材は共通で使える?

一部は共通で使えますが、試験の範囲が違うため、受ける資格に合わせた参考書や問題集を選びましょう。とくにLinuCは、LPICにない範囲も出題されるため、LinuC用の教材で対策するのが確実です。

まとめ

LPICとLinuCは、どちらもLinuxの技術力を証明する資格ですが、運営する団体や通用する範囲が異なります。

この記事のポイントは次のとおりです。

  • 成り立ち
    LPICはカナダのLPIの国際資格、LinuCは日本のLPI-Japanが2018年に始めた資格。
  • 出題範囲
    LPICは世界共通の標準的な内容、LinuCは仮想化やコンテナなど今の現場の内容も出題。
  • 通用する範囲
    LPICは世界で、LinuCはおもに日本で評価され、国内ではどちらも同じように評価されやすい。
  • 先に取るべき資格
    日本で働くならLinuC、外資系の企業や海外も考えるならLPIC。
  • 両方取るか
    多くの場合は1つで十分。両方取るならLinuCで基礎を固めてからLPICを加える。

どちらを選んでも、Linuxの基礎をしっかり身につけられます。目的に合った資格を1つ決めて、まずはレベル1の合格を目標に始めてみましょう。

記事の企画・執筆

IT基盤(インフラ)エンジニアのための求人・情報サイト「テックドック」の編集部です。ネットワーク・サーバー・クラウド・セキュリティなど、IT基盤の仕事・技術・資格・キャリアに役立つ情報を、実務に即した視点で発信しています。