企業は、安定したネットワーク環境とセキュアなシステム運用を求めており、その基盤を支えるインフラエンジニアは不可欠な存在で、その需要はますます高まっています。
しかし、多くの未経験者にとって、インフラエンジニアの役割や必要なスキルセットは敷居が高いものと感じられるかもしれません。また、すでにインフラエンジニアとして働いている方にとっても、次のキャリアアップにどの資格が有効か迷うこともあるでしょう。
この記事では、未経験からインフラエンジニアを目指す方向けの資格から、経験者がさらなる専門性を身につけるための資格まで、幅広く紹介します。あわせて、資格取得後の学習方法や転職活動の進め方についても解説します。
1.求められるスキルと資格取得のメリット
インフラエンジニアには、ネットワークやサーバー管理、クラウド技術、データベース、セキュリティといった幅広いスキルが求められます。これらのスキルの詳細は[インフラエンジニアとは]の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
資格取得を通じてこれらのスキルを効率的に身につけることには、主に3つのメリットがあります。
1-1.保有しているスキルの証明になる
自分のスキルを口頭で伝えるよりも、資格という形で提示した方が客観的な証明になります。特に未経験からの転職では、実務経験の代わりとなる強力なアピール材料になります。
1-2.資格手当などの給料アップに繋がる
資格を取得することで社内での希少性が高まり、企業によっては、資格取得に応じた資格手当が用意されており、給料アップにつながります。
1-3.フリーランスになった際に案件が獲得しやすい
資格は、技術に詳しくないクライアントでも技術レベルを判断しやすい明確な指標になります。実績だけでは伝わりにくい専門性を、資格によって示すことができます。
2.未経験者におすすめの資格一覧
インフラエンジニアとしてのキャリアをスタートするうえで、未経験者に特におすすめの資格を5つ紹介します。
2-1.Cisco Certified Network Associate(CCNA)
Ciscoが提供するネットワーク技術の認定資格で、ネットワークの基礎から高度な技術まで幅広くカバーしています。Cisco製品は多くの企業で使用されているため、この資格を持っていることでネットワーク技術に精通していることを証明できます。
CCNAの資格概要については、[CCNAとは]で詳しく解説しています。
2-2.Linux Professional Institute Certification(LPIC)
Linuxシステムの管理に関する基本的な知識とスキルを証明する資格です。多くの企業でLinuxが使用されているため、システム管理者やインフラエンジニアとしてのキャリアに有利です。
LPICの資格概要については、[LPICとは]で詳しく解説しています。

2-3.AWS Certified Cloud Practitioner(AWS認定)
Amazon Web Services(AWS)の基本的な知識を証明する資格です。世界中で広く利用されているクラウドプラットフォームの基礎を学べるため、クラウド関連のエントリーレベルのポジションに応募する際に有利です。
2-4.ORACLE MASTER Bronze DBA
オラクル社が提供するデータベース管理者(DBA)の認定資格の初級レベルです。Oracleデータベースの基礎知識と基本的な管理スキルを証明できます。
オラクルマスターブロンズの資格概要については、[オラクルマスターブロンズとは]で詳しく解説しています。
2-5.CompTIA Security+
情報セキュリティに関する基本的な知識を証明する資格です。リスク管理、脅威、脆弱性、暗号化、ネットワークセキュリティなど幅広いトピックをカバーしており、セキュリティ分野へのエントリーを目指す未経験者に最適です。
3.経験者・上流工程向けのおすすめ資格
未経験者向けの資格を取得し、実務経験を積んだ後は、以下のような資格でさらなるキャリアアップを目指せます。
3-1.応用情報技術者試験
基本情報技術者試験のワンランク上に位置する国家資格です。技術面だけでなく、管理や経営といった広い分野の知識を扱うため、マネジメント層へのキャリアアップを見据える方にもおすすめです。
3-2.ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークシステムの開発・運用、ネットワークアプリケーション技術に関する専門知識を証明する国家資格です。ネットワーク領域を軸にキャリアを積んできた方が、その専門性を客観的に示すのに適しています。
3-3.データベーススペシャリスト試験
データベースの設計・構築・運用・保守に関する高度な専門知識を証明する国家資格です。未経験者向けのORACLE MASTER Bronzeで基礎を身につけた方が、データベース領域でさらに専門性を高めたい場合の代表的なステップアップ先です。大規模システムのデータベース設計を担う人材として評価されやすくなります。
3-4.情報処理安全確保支援士試験
サイバーセキュリティに関する国家資格で、合格後に登録することで「情報処理安全確保支援士」として名乗ることができる、いわゆる士業資格です。セキュリティ分野における国家資格は他になく、知名度・信頼性の高さから、セキュリティ責任者やCSIRTなど上流のセキュリティ業務を目指す方に特におすすめです。
3-5.システムアーキテクト試験
システムの設計方法やシステム開発の管理に関する知識を扱う国家資格です。上流工程への関与を目指す方や、将来的にインフラ戦略の立案を担いたい方におすすめです。
未経験者向けの資格で基礎を固めたら、これらの資格でさらに専門性を高めていくのが、インフラエンジニアとしてのキャリアアップの王道ステップです。
4.効率の良い資格の勉強方法
資格の学習方法としては、主に以下の3つが挙げられます。
4-1.学習サイトを利用する
自分のスケジュールに合わせて好きな時間に学習でき、実際にコードやコマンドを書きながら進められます。うまくいかなかった部分は繰り返し取り組めるため、実用的なスキルを身につけやすい方法です。
4-2.学習アプリを利用する
通勤時などのスキマ時間を使って手軽に学習できます。初歩から学習が進められるものが多く、まずは学習アプリから始めて別の学習方法に移行する方も少なくありません。
4-3.参考書を利用する
試験内容への対策を優先したい方や、学びたい内容のレベルに合わせた一冊をじっくり進めたい方向けです。ただしボリュームが多くなりがちなので、要点をコンパクトに学べる学習サイト・アプリと併用するのがおすすめです。
5.まとめ
インフラエンジニアとしてのキャリアを目指すなら、未経験者はCCNAやLPIC、AWSなどの基礎資格から、経験者は応用情報技術者試験やネットワークスペシャリスト試験などでさらなる専門性を身につけていくのが王道のステップです。
資格取得後は、自分に合った学習方法で効率よくスキルを積み上げていくことが、着実なキャリアアップにつながります。まずは自分の経験レベルに合った資格から、一歩を踏み出してみてください。


