LinuCレベル3とは?2つの認定の違いと試験の概要・選び方

LinuCレベル3とは?2つの認定の違いと試験の概要・選び方

LinuCレベル3は、Linuxの専門家としての高度な力を証明する上級の資格です。2025年12月に、「プラットフォームスペシャリスト」と「セキュリティスペシャリスト」の2つの認定に刷新されました。

ここでは、新しいLinuCレベル3とは何かを、2つの認定の違いと試験の概要から解説します。旧レベル3との違いや、自分に合った認定の選び方、勉強の進め方もまとめました。

SUMMARY
この記事で分かること
  • 新しいLinuCレベル3とは何か、2つの認定の違い
  • 試験の概要と、旧レベル3(300・303・304)との違い
  • どちらの認定を選ぶかの目安と、勉強の進め方

LinuCレベル3とは?

Linuxの専門家を認定する上級の資格

LinuCは、LPI-Japanが運営するLinuxの技術者の資格です。レベル1からレベル4までの4つの段階に分かれていて、レベル3は特定の分野の専門家(スペシャリスト)を認定する位置づけです。

レベル位置づけ
レベル1Linuxの操作と運用の基礎
レベル2サーバーの構築と管理
レベル3専門分野のスペシャリスト
レベル4 システムアーキテクトシステム全体の設計

新しいレベル3は、IPAの「ITスキル標準(ITSS)」のレベル3に相当するとされています。LinuCの全体像は、[LinuCとは]で解説しています。

2025年12月に刷新された

LPI-Japanは2025年11月に、レベル3を新しい2つの認定に刷新すると発表しました。2025年12月1日から、全国のテストセンターとオンラインで受験できます。

刷新の背景には、インフラの現場の変化があります。オンプレミスでもクラウドでも、コンテナや構成管理の自動化を使った運用が当たり前になりました。また、システムが複雑になるにつれて、ファイアウォールの設定だけでは足りない、高度なセキュリティの力が求められるようになっています。

新しいレベル3は、こうした今の現場で必要な力を問う内容です。

旧レベル3は2026年11月30日で終わる

旧レベル3の3つの試験は、新しいレベル3と1年間並行して配信されたあと、2026年11月30日で配信が終わります。

旧レベル3の試験主な分野
300試験異なるOSが混在する環境(Mixed Environment)
303試験セキュリティ
304試験仮想化と高可用性

旧試験で認定を目指している人は、受験の時期に注意しましょう。すでに旧レベル3で取得した認定の扱いは、LPI-Japan公式サイトで確認してください。

2つの認定の違いと試験の概要

プラットフォームスペシャリスト

仮想化・コンテナ・自動化など、インフラの基盤を作って動かす力を問う認定です。略称は「LinuC-3 PS」です。

主な出題範囲内容
仮想化とコンテナの基盤仮想マシンやコンテナの基盤を設計・構築する
高可用性と負荷分散止まりにくい仕組み(高可用性クラスタ)と、負荷分散を作る
構成管理と運用インフラの構成管理の自動化、監視、バックアップ

旧レベル3の304試験(仮想化と高可用性)の流れをくみながら、コンテナや自動化まで範囲を広げた内容です。コンテナやKubernetesを使う現場や、運用の自動化に関わるエンジニアに向いています。

セキュリティスペシャリスト

Linuxの環境を安全に作り、守る力を問う認定です。略称は「LinuC-3 SS」です。

主な出題範囲内容
安全な環境の設計・構築サーバーやコンテナの守りを固める設定(堅牢化)
認証と認可安全な通信のプロトコルと、認証・認可の基盤を作る
検知と診断不正な侵入や改ざんを見つけ、セキュリティの診断をする

旧レベル3の303試験(セキュリティ)の流れをくみながら、コンテナの守り方など今の環境に合わせた内容になっています。サーバーのセキュリティを担当するエンジニアや、セキュリティの専門家を目指す人に向いています。

試験の概要

項目内容
認定プラットフォームスペシャリスト、セキュリティスペシャリストの2つ
問題数約60問
試験時間90分(試験後のアンケートの5分を含む)
受験料1試験27,500円(税込)
受験方法全国のテストセンター、または自宅などからのオンライン受験
言語日本語(英語版は2026年春に配信の予定と発表)

受験の前提条件や認定の条件、受験料は変わることがあるため、申し込む前にLPI-Japan公式サイトで最新の情報を確認してください。

申し込みの手順は、[LinuCの申し込み方法]で紹介しています。

どちらを選ぶ?選び方と勉強の進め方

2つの認定の選び方

今の仕事・目指す方向おすすめの認定
仮想化やコンテナの基盤を作っている、作りたいプラットフォームスペシャリスト
構成管理の自動化や、運用の改善に関わりたいプラットフォームスペシャリスト
サーバーのセキュリティの設定や監査を担当しているセキュリティスペシャリスト
セキュリティの専門家を目指したいセキュリティスペシャリスト

迷ったら、今の仕事で触れている技術に近いほうを選ぶと、学んだことをすぐに実務で試せます。インフラの基盤を幅広く扱うエンジニアなら、まずプラットフォームスペシャリストから取り、そのあとでセキュリティスペシャリストを目指す進め方もあります。

勉強の進め方

レベル3は、実務の経験を前提にした内容です。次の3つを組み合わせて進めましょう。

進め方内容
出題範囲を確かめるLPI-Japan公式サイトの出題範囲を見て、自分の得意・不得意を分ける
手を動かす仮想マシンやコンテナを自分で作り、クラスタや構成管理、守りの設定を試す
分野の技術書で補う新しいレベル3に合わせた専用の教材はまだ少ないため、コンテナやセキュリティの技術書で深める

とくに大切なのは、自分の手で環境を作って壊し、直してみることです。仮想マシンの中にクラスタを組んだり、わざと設定を誤って検知の仕組みを試したりすると、現場で使える力が身につきます。

教材の考え方は[LinuCのおすすめ参考書・問題集]で、学習環境の作り方は[Linuxのインストール方法]で紹介しています。

レベル3を取るメリット

レベル3を取ると、サーバーの構築にとどまらず、仮想化やセキュリティの専門家として力を示せます。設計や基盤づくりを任されるきっかけになり、その先のレベル4 システムアーキテクトを目指す足がかりにもなります。

LPI-Japanは、年間5,000人のレベル3の認定者を生み出すことを目標に、学習環境の整備などに取り組むとしています。今後、教材や学習の情報も増えていくと考えられます。

LinuCレベル3でよくある疑問

レベル2を持っていなくても受けられる?

新しいレベル3の受験の前提条件は、LPI-Japan公式サイトで確認してください。旧レベル3の認定にはレベル2の認定が必要だったため、まずはレベル1とレベル2で基礎を固めてから挑戦するのが確実です。

難しさの目安は、[LinuCの難易度]で解説しています。

旧レベル3と新しいレベル3は、どちらを受けるべき?

これから受けるなら、新しいレベル3がおすすめです。旧レベル3の試験は2026年11月30日で終わるため、準備の時間を考えると間に合わないことも多いでしょう。新しいレベル3は、今の現場で使う技術に合わせた内容です。

2つの認定の両方を取る必要はある?

ありません。どちらか1つでもレベル3の認定として示せます。そのうえで、基盤とセキュリティの両方に強いエンジニアを目指すなら、2つ目に挑戦する価値があります。

LPIC-3とはどう違う?

LPIC-3は、世界共通のLinuxの資格「LPIC」の上級のレベルで、運営する団体が異なる別の資格です。LPIC-3は専門分野ごとの4つの試験に分かれています。

違いは[LPICとLinuCの違い]で、LPICについては[LPICとは]で紹介しています。

実務の経験がなくても合格できる?

難しいです。レベル3は、基盤の設計やセキュリティの診断など、実務で経験する場面を前提にした問いが中心です。まずはレベル2までを取り、実務や自分の学習環境で経験を積みながら挑戦するのが現実的です。

まとめ

LinuCレベル3は、2025年12月に刷新された、Linuxの専門家を認定する上級の資格です。

この記事のポイントは次のとおりです。

  • LinuCレベル3とは
    レベル1〜4のうち、専門分野のスペシャリストを認定する上級の資格。
  • 2つの認定
    仮想化・コンテナ・自動化のプラットフォームスペシャリストと、Linuxを守るセキュリティスペシャリスト。
  • 試験の概要
    約60問・90分・1試験27,500円(税込)。テストセンターとオンラインで受験できる
  • 旧レベル3
    300・303・304試験は2026年11月30日で配信が終わる。
  • 選び方と勉強
    今の仕事に近いほうを選び、自分で環境を作って壊し、直しながら学ぶ。

レベル3は、インフラの基盤やセキュリティの専門家としてキャリアを広げるための資格です。まずは出題範囲を確かめ、自分の学習環境で手を動かすところから始めてみましょう。

記事の企画・執筆

IT基盤(インフラ)エンジニアのための求人・情報サイト「テックドック」の編集部です。ネットワーク・サーバー・クラウド・セキュリティなど、IT基盤の仕事・技術・資格・キャリアに役立つ情報を、実務に即した視点で発信しています。